にんにく研究 ~歴史を支えた元気食材~

にんにくの産地

「にんにく」って、どこのものでも同じだと思っていませんか?輸入品は中国産が多いですが、日本国内でも美味しい「にんにく」がとれる場所があるんですよ。某メーカーの栄養補助食品でもお馴染みの青森県産の「にんにく」は、とても美味しいと評判です。日本でのニンニク生産量の70%を占めているのは青森県とされています。その県内でも特に田子町、十和田市などで多く作られているんですよ。高級品として名高い「にんにく」ブランドは青森県内はもとより全国的にも知られています。そのほか、青森県以外にニンニクの産地として挙げられるのは、生産量の多い順に岩手県、香川県、秋田県、福島県などとなります。

にんにくの種類

ニンニクの種類(球で収穫タイプ)

・無臭ニンニク

 大型で匂いのもとになるアリシンという成分の生成を抑制したニンニク。

・紫ニンニク

 暖地向けの極早生種。20片にもなるそうです。

・ジャンボにんにく  

 超大型でにおいが少ない(エレファントなど)

・平戸ニンニク

 暖地系早生大球種。生育旺盛で8~10片になる

・ホワイト6片

 青森県などの寒地系の品種で晩生多収種。

 6片と名につくので、ほぼ6片になるのでしょうね。

ニンニクは寒冷地向きと温暖地向きの品種があるので、自分の地域に合ったものを選んで栽培します。

 

にんにくには、大きく分けると主に5つの種類

 白にんにく

1つ目は、白にんにくと呼ばれるもの。

いわゆる、にんにくの実だけではなく、福地ホワイト

それを包む薄皮や外皮も全て真っ白なものを指します。

 

この白にんにくの中にも非常に様々な種類へと枝分かれしており、

最近、よくメディアなどで耳にすることが多くなっている

福地ホワイトやホワイト6片と呼ばれるにんにくの種類も、

この白にんにくに属しています。

白にんにくの特徴としては、非常に豊かな香りや風味を持っている

ことから、料理などに最適という点です。

 

早生にんにく

 

2つ目に挙げられるのが、早生にんにくと呼ばれる種類です。

これは、九州地方や沖縄など、比較的温暖な地域で収穫されることが多く、

早生という言葉は、このにんにくが5月から6月という、

比較的早い時期に収穫されるところから命名されています。

 

この早生にんにくの中には、壱州や上海と呼ばれる種類のにんにくが属しており、

早生であるが故、非常に味と香りがマイルドな事でも知られています。

 

にんにくの茎

 

そして、3つ目に挙げられるのが、にんにくの茎です。

一般的には、にんにくというものは花を咲かせない種類が食材として

多く利用されているのですが、このにんにくの茎は、花を咲かせるタイプのにんにくから

採集されるもので、その独特の歯ごたえと共に、にんにくの実とは少し違ったマイルドな香り

から、中国料理などで非常に多く利用されています。

 

プチにんにく

 

4つ目に挙げられるのが、プチにんにくと呼ばれるものです。

このプチにんにくは、その名前の通り、にんにくの1個が、普通のにんにくの一片に相当する物で、

その小ささからもお漬け物などに利用される事の多い種類です。

 

黒にんにく

 

5つ目に挙げられるのが、黒にんにくと呼ばれる物です。黒にんにくを説明する先生

この黒にんにくはその名前からも分かるように、

中の実が全て真っ黒という独特の状態を保持しています。

元々は白にんにくの一種でもあったのですが、特殊な加工によって

この独特の黒色という色へと変化しているのです。

 

その黒色由来の独特の栄養素として、ポリフェノールと呼ばれる色素成分を

含んでいることが、他のにんにくには無い、黒にんにくだけの特徴です。

 

にんにくの育て方

ニンニクの育て方

◆植える場所の準備

植え付け2週間前に苦土石灰を1㎡あたり100gまいてよく耕しておきます。

1週間前には1㎡あたり堆肥3kgと化成肥料150gをまいてよく混ぜておき、高さ5㎝ほどの高畝を作っておきます。

マルチ栽培の場合は追肥が難しいので、元肥に肥料成分がゆっくり溶け出す緩効性肥料を多めに施します。

◆ニンニクの植え付け時期

およその植え付け時期の目安です。 地域や品種によって多少ずれます。 

一般地・・9~10月まで

冷涼地・・・9月中旬~10月中旬

暖地 ・・・10月上旬~11月中旬

生育適温は15~25℃、涼しい気候を好みます。

◆植え付け方法

ニンニクの種球は一片づつ分けておきます。

植え付けるニンニクは、大きな鱗片ほど生育・収量が良いので大きいものを選びますが、その種類の中であまりにも大きい場合は育っていく過程で分球もしやすくなるようです。

条間、株間ともに15㎝の幅にして植えつけます。

(余裕があれば条間は20~25㎝ぐらいで)

地面からニンニクの上部の先端までの深さは約4~5㎝程度にして、発根部を下にします。

冷涼地はやや深めに植え付けします。

◆ニンニクの追肥

芽が伸びてきた時期の11月とこれから育っていく翌春の3月の2回、化成肥料を株間にひとつまみぐらい施します。

ニンニクは春先から窒素と加里成分の吸収が多くなるので、窒素と加里成分を多く含む肥料がよいといわれていますが、持ち合わせがなかったので私は春と同じ化成肥料を施しました。

肥料を購入するときは葉もの、根菜、実ものに分けたほうがその野菜に合った育ち方をすると思います。(窒素、リン酸、加里の配合含有率)

(その後、NK肥料を購入し、追肥に使用しています)

追肥の化成肥料や有機質肥料は軽く土と軽く混ぜますが、私はニンニクを傷つけないように裏向きに持った鎌の頭で軽く土を耕します。(少々のニンニク栽培ですから(〃´―`〃) 

マルチ栽培で生育が思わしくない場合は、マルチの穴のすきまから少しずつ化成肥料を与えます。

◆植え付け~収穫までの栽培・管理

株元からわき芽が出たときはかき取ります。

ニンニクなどの根菜、イモ類は、花芽の育ちを抑えとう立ちさせないようにします。

とう立ちしてきたら花蕾を摘み取ります。

とう立ちは昨年は5月ごろでましたが、よく見ていないと見過ごしてしまいます。

トウ立ちをしたら早いうちに摘み取ることで肥大を促進させます。

ニンニクの株元を持って中心にでた「とう」を引き抜きます。またはハサミなどで切り取ります。

とう立ちの若い茎は「ニンニクの芽」として利用してみるとおいしいです。

※不抽苔性といって、トウ立ちしないニンニクの品種もあるようです。

◆ニンニクの収穫

茎葉が3分の2ぐらい枯れてから、晴天の日に収穫します。

適期をすぎるとニンニクの球割れが発生して、球の色艶も悪くなり、品質が低下します。  

冷涼地・・・ 6月下旬~7月

暖地 ・・ 5月下旬~6月

ニンニクの株元を持って引き抜きます。葉と根を切り、日陰で2~3日間干しておきます。

そのあとは網袋に入れ、風通しのよい日陰にニンニクを保存しておきます。

または茎葉を1/3ほど切り落とし、10本程度を一束にして、陽の当たらないように棒がけをして乾燥させます。

 

千葉県産にんにく栽培について ~佐倉わさび~

  • 背景:国産にんにくの高騰

 国産にんにくの8割以上を占める青森県は生産者の高齢化、限られた耕作地の問題で年々品薄・高値が加速しています。

その他にも下記の要因があります。

1・中国産にんにくの不作(昨対25%減)による高騰

2・青森に次ぐ第2位の産地宮崎県の天候不順による不作

3・食の安心安全の問題による安価な中国産から国産へのシフト加速

4・黒にんにくの市場拡大

 以上の原因で、需要に供給が追い付いていない状況です。特に大手食品メーカー(味の素、王将グループ、サイゼリア等々)にとっては青森県以外の国内産地形成が急務となっております。成田の企業では、大阪王将を全国展開されているイートアンド㈱社から関東圏に「にんにく産地」を作りたいとの依頼があり千葉県・茨城県でのにんにく契約栽培に取り組んでいます。

品種:中国品種 暖地型早生系の「上海嘉定種」

   国内第1位の青森県は寒地型の「福地ホワイト6片」

   第2位の宮崎県、3位の香川県は暖地型の「上海嘉定種」を栽培しています。

   関東でも温暖な千葉県は肥沃な関東ローム層と豊富な地下水源に恵まれた         特に北総台地地区(佐倉・成田・富里・八街)がにんにく栽培に適していると思われます。

 また、「上海嘉定種」は早生系なので9月下旬に種入れ5月中旬から収穫できます。

  千葉県で多く栽培されているスイカ、春ニンジン、葉生姜等の後作として栽培サイクルが形成できるメリットと、中国品種のため種子コストが国産品種の10分の1以下という経済的メリットがあります。

産地づくりのための契約栽培:A品・B品・格外品まで買取り

 前述の食品メーカーの使用用途は餃子の具材等の加工用の為、腐れ・病気以外はA品から格外品まで全て買取り条件でA品と格外品の価格差も10%以内と好条件です。

 収穫後の後処理で最も面倒な根切りも最小限、最もリスクの高い乾燥は不要と産地づくりには最適な条件でスタートできます。

 

にんにく製品のご提案:にんにく味噌

  にんにくの効能として疲労回復・滋養強壮・殺菌解毒作用・がん予防・血液サラサラ等々は広く知られておりますが、その有効成分アリシンはにんにく単体で取るよりもビタミンB1と一緒に取ることでアリシンが「アリチミン」という物質に変化しより効率的且つ、有効に摂取することができます。

 そのビタビンB1を豊富に含みにんにくとの相性も抜群の食品が「味噌」です。

 千葉県産にんにくと千葉県老舗味噌屋・ヤマニ味噌などとのコラボ商品の提案を致します。千葉県産の生姜を加えた「生姜にんにく味噌」は生姜の薬効成分「ジンゲロール・ショウガオール」が保温効果・免疫力向上効果等もプラスされ健康食品の逸品として期待できます。

 

佐倉わさびキャラクター
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